『浄法寺塗』
○歴史
728年、天台寺開山の際に僧侶が自らの什器をつくるのに漆工技術を持ち込んだのが始まりと考えられています。
その後、庶民が普段使いする漆器として天台寺周辺に広まりました。
戦後には安価な合成樹脂等が普及し、一時は廃れますが、昭和50年に地元の漆掻き職人と塗師が復活させ、60年には国の伝統的工芸品の指定を受けています。
○特徴
浄法寺は国産漆の約60%を生産している産地として有名です。
漆器は黒・本朱・溜色の単色で、光沢を抑えた仕上がりになっています。
普段使いを前提としているので、丈夫で飽きないデザインです。
使い込む事で磨かれ、美しい艶が出るのも醍醐味のひとつでしょう。
特徴にもある通り、凄くシンプルな毎日使いたい見た目ですね。
手触りも良く、日々自分の手に馴染んでいきそうです。
下の写真は2020年にグッドデザイン賞を受賞している角杯です。
”片口”のリデザインで、伝統の中にスタイリッシュさを感じます。
これでお酒が飲めたらさぞ美味しいでしょう。。。
○製作工程
挽物加工(原木の伐採は木の成長が止まっている時期に行う)↓
玉切り(原木を漆器の直径に合わせて切る)↓
寸法決め・大割り・小割り(木目で作る漆器の種類を決め切り出す)↓
荒挽(ろくろで回して荒削りし、数ヶ月寝かせる)↓
乾燥↓
中挽・仕上挽(歪みを削る)↓
下地加工(生漆を染み込ませ、蒔地下地と漆地下地のどちらかを施す)↓
塗漆(上塗り。溜色には仕上げに透漆を塗る)
製作工程が動画でわかるものではありませんが、素敵なプロダクトムービーがありましたので、是非ご覧ください。
↓↓↓
私自身、浄法寺塗は結婚式の引き出物にしたいなと、昔から考えていました。
結婚式もせずバツイチになりましたが。。。笑
せめていつか大切な人にプレゼントしたいと思います。
そして自分でも使い込んで漆器を育てる経験も積んでみたいなあ。。
次回は、『鳴子漆器』