『多摩織』
○歴史
東京都八王子周辺の工芸品、多摩織。
平安時代末期には既に作られていたと考えられ、室町時代後期に生産が盛んになります。
江戸時代には絹市が開催され、「八王子織物」として知名度が高くなりました。
生産量が増えるにつれて、作業工程も細分化・分業化されていきました。
○特徴
先染織物で、以下の5種類の織物が多摩織として指定されています。
・多摩結城:皺(シボ)が特徴
・紬織:凹凸が生み出す風合いが特徴
・捩り織(もじりおり):糸と糸の間に隙間がある
・変り綴(かわりつづれ):多色の緯線から模様を作る
・風通織:2枚重ねの織地が模様を作る
ネクタイやマフラー等、着物以外の製品も多く作られている。
写真の生地も柄によって雰囲気が全く違い、好みの物も見つかりそうです。
○製作工程
精錬(糸の不純物の除去)↓
図案作成↓
染色↓
お召撚り(撚りをかけて強度を増す)↓
整経(経糸を整える)↓
機巻き(ロット棒に経糸を巻きとる)↓
製織↓
仕上げ(湯もみし、糊を落として乾燥させ、蒸気をかけて伸ばす)
次回は、『塩沢紬』